すこやかな角層のための準備
ファンデーション選びと
メイクの落とし方
落とされるものも見直す
スキンケアを見直すとしたら、洗顔後に何をつけるかだけでなく、日中、角層の上に何をのせ、一日の終わりにどう落としているか。
化粧水を使うかどうかにかかわらず、そこまで一緒に見直してみてください。
ファンデーションは、朝から夜まで長い時間、角層に触れています。
そして、落ちにくいものを選べば、それを落とすためのクレンジングも必要になります。
だからHEMUEでは、
落とし方から逆算して、毎日のメイクを選ぶ。
という考え方を大切にしています。
これは、洗う・調律する・守るという、HEMUEのミニマルスキンケアメソッドの一部でもあります。
► 角層を味方にするミニマルスキンケアメソッド🔗
ファンデーションも、角層に触れ続ける化粧品です
一日を通して、ファンデーションが肌の上でどう振る舞うか。角層をすこやかに保つという視点から見ると、
つけている間、乾燥やつっぱりを感じないか。
時間がたったときに、膜が重く、硬く感じられないか。
汗や皮脂と混ざったあとも、違和感なく過ごせるか。
毛穴まわりが荒れたりしないか。
これらは、カバー力や仕上がりと同じように大事な点です。
一日の終わりに、どう落とすか
ファンデーションには、密着性や耐水性、化粧もちを高めるために、さまざまな工夫があります。その一方で、落ちにくくなるほど、それを肌から離して洗い流すための方法も必要になります。
クレンジングをなじませる。
落ちにくければ、なじませる時間が長くなる。
さらにこすったり、洗浄を重ねたりすることもある。
クレンジングを使うこと自体が悪いわけではありません。
必要なメイクには、必要な落とし方があります。
けれど、毎日のメイクであれば、
落ちにくいものに合わせて落とす力を高める前に、毎日の洗浄で無理なく落とせるものを選ぶ。
HEMUEでは、その順番で考えます。
なぜ、クレンジングを毎日の基本にしないのか
「合成界面活性剤は肌への負担になる」という話を、見聞きしたことがあるかもしれません。クレンジングには、油性のメイクになじませ、水で洗い流せるようにするため、さまざまな界面活性剤が使われています。
その種類や性質、配合量、組み合わせによって、完成した製品としての肌への影響も変わります。
だからHEMUEでは、「合成界面活性剤が入っている=肌に悪い」とは考えていません。
それでも、HEMUEではクレンジングを毎日の基本にはしていません。
その理由のひとつは、石けんとクレンジングでは、洗浄がどう始まり、どう終わっていくかに違いがあると考えているからです。
石けんとクレンジング──洗浄の終わり方の違い
石けんもクレンジングも、洗浄力があります。「石けんはやさしい」
「クレンジングは強い」
と単純に分けることはできません。
HEMUEが大切にしているのは、洗っているときの力だけでなく、すすいだあと、その洗浄作用がどう終わっていくかです。
石けんは、脂肪酸からできた界面活性剤の一種です。
石けんを泡立てると、pH9〜10程度のアルカリ性を示し、その中で洗浄力を発揮します。
洗っている間、石けんの泡は皮脂や汚れに働きかけます。皮脂や汚れに働いた泡は弱まり、洗浄力も低下していきます。
そして、すすぎに移ると石けんの泡は水で一気に薄まり、洗浄時のアルカリ性も弱まります。もとの脂肪酸に近い状態へ戻り、洗浄剤としての役割を終えます。[参考文献1、2]
つまり石けんは、皮脂や汚れに働きかけたあと、そのまま同じ洗浄力を保ち続けるのではなく、泡が弱まるとともに洗浄力も低下し、すすぎによってその役割を終えていきます。
HEMUEが石けんに感じている大きな価値は、ここにあります。
一方、クレンジングは、石けんでは落としにくいファンデーションや、耐水性のあるメイクまで落とせるようにつくられています。
そのクレンジングに使われる界面活性剤には、さまざまな種類があります。
多くは石けんとは性質が異なり、皮脂や汚れに働いたあと、石けんのように洗浄力を弱めながら役割を終えていくわけではありません。
もちろん、すすげばクレンジングの成分も大部分は洗い流されます。
洗顔後も、クレンジングがずっと肌を洗い続けているという意味ではありません。
HEMUEが見ているのは、洗浄力の強さだけではなく、皮脂や汚れに働いたあと、その洗浄剤がどのように役割を終えていくかです。
石けんは、皮脂や汚れに働きかけた泡が弱まり、洗浄力も低下していく。そして、すすぎによって洗浄剤としての役割を終えていく。
HEMUEでは、この「洗浄の終わり方」も、毎日の洗顔を考えるうえで大切だと考えています。
洗い終わったことを、肌がどう感じるか
クレンジングのあと、すすいでも独特のぬるつきを感じることがあります。これは必ずしも、「クレンジングがきちんと落ちていない」ということではなく、含まれる成分などによる感触の場合もあります。
私たちは、肌に触れたときの感触から、肌表面の状態を感じ取っています。
そのため、洗浄そのものは終わっていても、ぬるつきが続くと、
「まだ何か残っている」
と感じて、さらにすすいだり、もう一度洗ったり、知らないうちにこすったりすることにもつながります。
反対に、皮脂を取りすぎれば、「キュッ」とした感触や、きしみ、つっぱりが生じます。
低温熟成石けんで大切にしているのは、洗浄剤が残っているようなぬるつきがなく、それでいて、きしみや「キュッ」とした感触にもならないことです。
必要なものまで落としすぎず、洗う役目を終えたら、そこで自然に洗浄が終わる。
HEMUEが「角層表面で洗浄を終えやすい」ことを大切にしているのは、そのためです。
役目を終えた角質が、自然に離れていくことも大切です
もうひとつ、HEMUEが洗顔で大切にしていることがあります。それは、役目を終えた角質が、無理なく自然に離れていくことです。
角層のいちばん外側では、古くなった角質細胞のつながりが少しずつ弱まり、本来は目立たないかたちで自然に剥がれ落ちていきます。
けれど、その自然な流れがうまく進まず、古い角質が肌表面に残ることもあります。
その理由はひとつではありません。
その中でHEMUEが注目してきたのが、毎日の洗浄です。
クレンジングを日常的に使っている肌では、古い角質が残ったようなざらつきや「垢」を感じ、ピーリングなどで落としたくなることがあります。
もちろん、クレンジングをしている間にも、すでに離れやすくなった角質の一部は落ちていくと考えられます。
それでも古い角質がたまりやすく感じられるのは、その日の洗顔でどれだけ落ちるかだけでなく、日々、古い角質が自然に離れていける状態にあるかも関係していると考えています。
古い角質が自然に離れていくためには、角質細胞同士のつながりが少しずつほどけていく必要があります。
そして、使われる界面活性剤の種類や組み合わせによっては、角質が自然に離れていく過程に関わる酵素の働きに影響することも報告されています。[参考文献3、4]
これは、すべての界面活性剤やクレンジングで同じことが起こることを示すものではありません。
こうした可能性も踏まえて、HEMUEでは、洗顔は汚れを落とすだけではなく、役目を終えた角質が自然に離れていく流れを妨げないことも大切だと考えています。
古い角質がたまったら、ピーリングではがす。
その繰り返しを前提にするのではなく、
すでに役目を終えた角質が、毎日の洗顔の中で少しずつ、目立たないかたちで離れていく。
低温熟成石けんでは、そこまで含めて洗い上がりを見ています。
だから、普段使いは石けんで落とせるものに
ここまで考えると、HEMUEが普段のファンデーションとして石けんで落とせるものをおすすめする理由も、シンプルです。より穏やかなクレンジングを探し続けるより、
普段のファンデーションを、低温熟成石けんで無理なく落とせるものにする。
そうすれば、クレンジングを使うのは特別なときだけになります。br>
今使っているファンデーションを、すぐにやめる必要はありません。
まずは、普段使いのファンデーションから見直してみてください。
石けんで落とせるファンデーションの選び方
普段使いで大切なのは、一日のメイク全体が、低温熟成石けんで無理なく落とせることです。「石けんで落とせる」
「クレンジング不要」
とメーカーが明記しているものを、ひとつの目安にしてください。
ファンデーションだけが石けんで落とせても、下地やコンシーラー、日焼け止め、ポイントメイクを重ねれば、落ち方は変わります。
使う量や重ね方によっても違います。
まずメーカーの表示を確認し、そのうえで、一日のメイク全体が無理なく落とせるかを見てください。
現在HEMUEでは、ファンデーションをご用意していません。
参考として、石けんや洗顔料で落とせることをメーカーが案内しているものを、いくつかご紹介します。
粉末タイプのミネラルファンデーションも、その選択肢のひとつです。
• ETVOS(エトヴォス):マットスムースミネラルファンデーション
• MiMC(エムアイエムシー):ミネラルモイストパウダーファンデーション
• Beautiful Skin(ビューティフルスキン):ミネラルファンデーション
これらをHEMUE専用品としておすすめしているわけではありません。
製品の処方や仕様は変わることがありますので、ご購入時にはメーカーの最新表示をご確認ください。
ポイントメイクは、必要な部分だけ
ポイントメイクも、まずは低温熟成石けんで無理なく落とせるかを確認してください。落ちにくい部分は、スクワランでメイクをゆるめてから洗う方法もあります。
基本の手順は次の通りです。
1. ぬるま湯で、こすらずやさしく予洗いします。
2. 落ちにくいポイントメイクに、スクワランを少量なじませます。
3. メイクがゆるんだら、ティッシュなどをそっと当てて移し取ります。こすって拭き取らないようにします。
4. 低温熟成石けんを十分に泡立て、顔全体をやさしく洗います。
一度の洗顔で十分に落ちない状態が続くなら、洗う回数や力を増やすより、ポイントメイクそのものを見直してみてください。
スクワランはクレンジング剤の代わりではなく、落ちにくいメイクをゆるめるための補助として使います。
石けんで落とせないメイクが必要な日は
メイクは楽しむためのものでもあります。石けんでは落とせないファンデーションや、ウォータープルーフのポイントメイクが必要な日もあると思います。
そのような日は、無理に石けんだけで落とそうとせず、そのメイクに必要なクレンジングやリムーバーを使ってください。
大切なのは、
必要なところに、必要な洗浄だけを使うこと。
強くこすらない。
必要以上になじませ続けない。
何度も洗浄を重ねない。
毎日の基本と、必要な日のケアを分けて考えます。
まず4週間、メイクと落とし方までシンプルに
HEMUEを始める最初の4週間は、低温熟成石けん → ナチュリモ
という朝夜の軸から始めます。
そして普段のメイクも、できれば石けんで無理なく落とせるものにする。
洗顔後につけるものだけでなく、
毎日、角層の上に何をのせ、どう落としているか。
使うものを増やしすぎず、メイクや落とし方までシンプルにすることで、「洗う・調律する」という基本が、自分の肌にどう合っているかを確かめやすくなります。
そのあと、肌の様子を見ながら、日中の紫外線や乾燥から守るナチュパラソルを加えていきます。
毎日のケア全体で、角層をどう扱うか。
ファンデーションも、メイクを落とすことも、その中のひとつです。
► ミニマルスキンケアメソッドを見る🔗
化粧品が直接触れる角層に、まず何ができるのか。
► 角層から考えるコスメシューティカル🔗
参考文献・根拠資料
1.奥山春彦.布帛の洗浄について(I)―布の汚染と界面活性剤および助剤について.繊維製品消費科学.1963;4(1):3-10. DOI: 10.11419/senshoshi1960.4.3.2.Takada N, Kobayashi T, Oya M. Effect of Water Hardness on Acute Aquatic Toxicity of Fatty Acid Salts. Journal of Oleo Science. 2023;72(11):1005?1014. doi:10.5650/jos.ess23058.
※石けんは、pHが下がると脂肪酸側へ移り、界面活性が低下することが基礎研究で報告されています。
3.Schepky AG, Holtzmann U, Siegner R, Zirpins S, Schmucker R, Wenck H, Wittern KP, Biel SS. Influence of cleansing on stratum corneum tryptic enzyme in human skin. International Journal of Cosmetic Science. 2004;26(5):245?253. doi:10.1111/j.1467-2494.2004.00232.x.
界面活性剤や洗浄製品の違いによって、角層の落屑に関係するSCTE(KLK5)の活性に影響がみられた研究。
4.Caubet C, Jonca N, Brattsand M, Guerrin M, Bernard D, Schmidt R, Egelrud T, Simon M, Serre G. Degradation of corneodesmosome proteins by two serine proteases of the kallikrein family, SCTE/KLK5/hK5 and SCCE/KLK7/hK7. Journal of Investigative Dermatology. 2004;122(5):1235?1244. doi:10.1111/j.0022-202X.2004.22512.x.
KLK5・KLK7が、角質細胞同士の接着に関わるコルネオデスモソームの分解を通して、自然な落屑に関与することを示した研究。
免責・注意事項
• 本記事はスキンケアに関する一般的な情報提供であり、医療行為の代替ではありません。症状がある方、治療中の方は医師(皮膚科)の判断を優先してください。• いずれの化粧品でも、体質・肌状態によって合わない場合があります。赤み、かゆみ、刺激、悪化などが出た場合は使用を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
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初版公開:2007年最終更新日:2026/08/03
