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SPF1=20分は間違い!


SPFは、日焼けするまでの時間を測定したものではありません。

簡単に言えば、「どれぐらいの量の紫外線を浴びると肌が赤くなる(日焼けする)か」を測定したものです。

もっと詳しくSPFを説明すると…

「ある製品を塗布した部位が紅斑(日焼けで赤くなる)を起こすまでの『最小の紅斑紫外線量』=MEDp」が、何も塗らない部位が紅斑を起こすまでの『最小の紅斑紫外線量』=MEDu」の「何倍に当たるか」を示す数値です。



紅斑紫外線=肌を赤く日焼けさせる紫外線(主にUVB)

紅斑(日焼けで赤くなる)が起きたどうかの判断は、紫外線を浴びてから16時間〜24時間後の肌の状態で判断します。

ただ、MEDuは、MEDuが100の人、200の人、300の人と、一人ひとり異なります。

ですので、例えばSPF30の場合、MEDuが100の人であれば、その30倍の3000を浴びるまでは、紅斑を起こさずに済む可能性があるということです。

が、30倍の紅斑紫外線を浴びるまでの時間は紫外線の強さで異なります。

紫外線が強ければ2、3時間で30倍浴びてしまう場合もありますし、紫外線が弱ければ8時間以上経っても30倍に達しない場合もあります。

したがって、SPFでは、「何時間まで紅斑しない」とは判断できないのです。

また、現在のSPF試験においては、「紫外線の照射時間」と「紫外線の強さ」の規定は明確ではありません。

紫外線量は「紫外線の照射時間」× 「紫外線の強さ」ですが、

紫外線の照射時間を一定にしたまま紫外線の強さを変更したり、両方を変更したりして紫外線量を調整できるので、同じ製品でのSPF試験でも試験先の機関によって数値が異なることがあります。

以上を踏まえると、残念ながら、SPFは本当に目安程度のものでしかありません。

ナチュパラソルは、分析装置による試験では30〜35の数値を得ていますが、この数値に頼るのではなく、HEMUE独自の観点で「紫外線の影響からどれだけ肌を守れるか」分析する方法を模索したいと考えています。

追伸.5月からは多くの地域で「紫外線による影響を示すUVインデックス」が8を超えてきます。その環境では、紫外線対策を何もしないで日光を浴びると、「15分から20分ほど(個人差あり)浴びると紅斑が起きる」とされています。「SPF1=20分」と誤解されるようになったのは、これも理由の一つかもしれません。

紫外線の刺激と酸化ストレスから肌を守る: |+| ナチュパラソルのページ


-参考文献-
『紫外線環境保健マニュアル2020』環境省(2020)
ISO 24444 SPF TEST
『紫外線防止効果測定について』日本香粧品学会誌(2017)
『SPF測定基準』日本化粧品工業連合会(2007)


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