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化粧水はいらない本当の理由
乾燥肌を守る
“脱化粧水”&メソッド



粧水はいらないのか、それとも続けたほうがいいのか。

いったい、どっちなんだろう?

結論から言えば、化粧水をやめること自体はゴールではありません。

スキンケアがうまくいく理由も、つまずく理由も、突き詰めればひとつの原則に行き着きます。

──肌を守るいちばん外側、角層を味方にできるかどうかです

化粧水が届くのは角層まで。

もし「また、うるおわなかった。結局、化粧水は意味ないのかな?」と感じているとしたら、その原則の周りを彷徨っているのかもしれません。

実は、スキンケアの開発者である私にも、答えが見つからない苦しい時期がありました。

抜け出した手がかりは“水分過負荷”。

角層が抱えられる水分は、顔全体でも0.1〜0.3 mLほど(個人差あり)。これを大きく上回る水分が浸透すると、うるおいを遠ざけ、かえって乾燥することがあります。

角層がふやけることで、バリアと保水力が落ち、必要な水分までも抱えにくくなるためです。

汗でふやけた後にカサつく──そんな経験に近い状態。

ここまで読んで気づいたかもしれませんが、乾燥肌には「化粧水での水分補給が欠かせない」という前提は揺らぎます。

見えてきたのは「化粧水はいらない本当の理由」──その先にあるのは、肌も表情も自然に美しく見える毎日です。

肌に本当に必要なスキンケアを追いかけてきた18年の積み重ねにもとづき、「脱化粧水」の本質を静かにひも解いていきます。


・本ページでいう「浸透」は角層までを指します。
・水分過負荷=角層に過剰な水分が浸透し、湿潤が続く状態。
・この記事の趣旨は化粧水の否定ではありません。水分過負荷に焦点をあてた提案です。
・数値は目安で、部位差・個人差・環境(温湿度)・時間経過により変動します。
・本記事は医療情報ではありません。症状がある方は皮膚科にご相談ください。

化粧水はいらない本当の理由|肌に本当に必要なスキンケアを解説中

配信開始2007年
最終更新2025年09月



化粧水はいらない、その先の価値


化粧水は「水分過負荷」を減らす選択です。

繰り返しますが、化粧水をやめること自体はゴールではありません。

「角層を味方にする」

この原則を守れるかで、結果はまるで違ってきます。

何よりも先に、角層がすこやかに働くことが大切なのです。

そして、この原則を守ろうとするときに壁になるのが、私たちの周りにある「若さを基準にした空気」です。

美白やシワ改善を謳うスキンケアがあふれる今、その空気は、知らず知らずのうちに過剰なケアを正当化し、角層に小さな負担を積み重ねてしまう──それは、肌ストレスの一因にもなり得ます。

美容雑誌や広告で語られる流行の美容成分は、化粧水をはじめ、さまざまなアイテムに配合されています。けれど、それらを重ねるケアに肌は本当に応えているでしょうか。

開発者の実感として、多くの成分がもたらす変化は、あっても“ごくゆるやか”です。魔法のような逆転は起きません。

色むらや小ジワが薄くなったと感じる変化も、日焼け後がターンオーバーで戻るように、肌の再生サイクルによる自然な回復で説明できる場合が多いのです。

だからこそ、角層を味方にする価値が際立ちます。

私は、若さを追いかけて、「より深く、より多くを届けよう」と角層のしくみに逆らうのではなく、角層が働けるすこやかな状態を保ち、自然な変化も味方にすることを選びました。

ここで効いてくるのが脱化粧水──「水分過負荷」を減らすという選択です。

美白を超え、シワも誇りに

たとえば、目元にふっと浮かぶシワは、笑った時間の証──すこやかな角層があれば、肌の明るさに溶け込み、表情の魅力として映ります。

過ごしてきた時間を、“そのまま味方に”できる毎日。

それが、「化粧水はいらない」と気づいた先にある、大きな価値のひとつだと思うのです。

肌の乾燥が続くとシワやシミも気になってくると思いますが、焦らなくても大丈夫です。

すこやかな角層は、キメが整い、うるおいに満ち、ふと触れてほっとする「美しい肌質」そのもの。乾燥や刺激から守り、シワの進みをゆるやかにし、ナチュラルな透明感をもたらします。

角層こそが、どんな化粧水や美容成分よりも、あなたの肌をいちばん確かに支える存在です。味方にすれば、肌も表情も自然と美しく見えてきます。

「本当に?」

そう感じるのは自然なことだと思いますので、角層についてもう少しお話しします。


肌を支える“すこやかな角層”


粧水をつける理由の一つは、肌にうるおいを与えることだと思います。

でも、これだけは知っておいてください。

うるおいとは“角層の状態”そのものだということ。ここへの理解や向き合い方が深まると、スキンケアがうまくいくようになります。

うるおい=角層という前提

角層は「肌を守るバリア」として知られていますが、それだけではありません。

肌が自らすこやかさを保とうとする力(ホメオスタシス)とも深く関わり、キメ・ハリ・ツヤ・透明感といった“肌質”を左右します。

そして「肌のうるおい」の要点は2つだけ。

● 要素:角層を構成する4つ(皮脂膜/角質細胞/天然保湿因子〈NMF〉/細胞間脂質〈セラミドなど〉)

● 連携:その4要素が連携して生まれる“うるおいバランス”によって保たれる水分

つまり──うるおいは、水分量の足し算ではなく、要素どうしの連携=角層が働ける状態のことです。


角層の構成要素とうるおいバランスのイラスト


この働ける角層=すこやかな角層は、キメの整ったやわらかな手触りを生み、乾燥や刺激から守ります。シワの進みをゆるやかにし、ナチュラルな透明感ももたらします。

繰り返しますが、どんな美容成分より先に角層の働きが肝心なのです。

だからこそ、スキンケアの本質は「常に角層をすこやかに導くこと」にあり、原則は「角層を味方にすること」なのです。

けれども、「数字が語る化粧水の真実」は、“原則”を守れていない可能性を示していたのです。


数字が語る化粧水の真実


層がすこやかなとき、顔全体ではどれくらいの水分を抱えられるのでしょうか。

集めた基礎データをもとに概算(目安)すると──

● 顔の角層の厚さ:約0.01〜0.02 mm(日本人女性平均約0.015 mm/部位差あり)

● 保たれている水分量:0.1〜0.3 mL

● 乾燥を感じるときの減少量:0.05〜0.1 mL程度(季節・環境で変動)

つまり、化粧水での水分補給が必要なイメージとは違って、角層が必要とする水分は驚くほど少量です。そして、“失われがちな水分”も、通常は汗などによって自然に補われるようになっています。

それを踏まえると、化粧水の一般的な推奨量1〜3 mLは、短時間に与える水分量としては大量です。

もちろん、すべてが角層に浸透するわけではありません。

しかし、角層が抱えられる量の10倍、20倍、それ以上にもなる差は──“水分補給”のつもりでも、結果的に“水分過負荷”になりやすい使い方です。

「化粧水のつけ過ぎはよくない」と言われますが、推奨量であっても、使い方次第では「つけ過ぎ」にあたることがあります。

「思うようにうるおわない」──それは肌のせいではなく、やり方に無理があっただけかもしれません。

理想の化粧水を追いかけていた私が、そう考えるようになったのは、HEMUE(へミュー)を始めて2年ほどが過ぎた2007年──約18年前のことです。

顔の角層水分量を実際に計算してみる

※顔の角層の体積=顔の表面積 × 顔の角層の厚さ

・顔の表面積(成人女性の平均):約600 cm²

・顔の角層の厚さ(日本人女性の平均):約0.015 mm(=0.0015 cm)

→ 顔の角層の体積:600 × 0.0015 = 0.9 cm³

※角層の質量=体積 × 密度

密度:約1 g/cm³(角層の主成分は水に近いため)

→ 質量:約0.9 g

※水分含有率

→ 正常範囲:約15〜30 %

※角層に保たれている目安水分量:0.9 g × 0.15〜0.3 = 0.135〜0.27 mL

※乾燥を感じる時の角層水分率を15%前後とし、快適ラインを20〜25%と仮定した場合、不足している水分は約0.05〜0.10 mL(目薬にして約1〜2滴)です。

強い乾燥を感じる状態=10%まで下がっている場合は約0.13 mL(約3滴)になります。

※肌の状態には個人差があります。数値は目安です。


|参考文献|以下の文献・データをもとに自社にて角層水分量を計算
Madison KC. "Barrier Function of the Skin: 'La Raison d’Être' of the Epidermis." J Invest Dermatol, 2003.日本皮膚科学会『皮膚科学』改訂版, 2020.Lodén M., "Role of Topical Emollients and Moisturizers in the Treatment of Dry Skin Barrier Disorders." Am J Clin Dermatol, 2003.

※この概算は個人差・環境差があります。角層水分量、および計算方法は弊社独自のデータです。転載・引用を禁止しますーCopyright(C) 2005-2025 Marimba Bongo Co.Ltd.


化粧水が乾燥の悩みに届かない理由


時の私は、開発者としても、生活者としても、化粧水にこだわっていました。

「化粧水で水分を与え、油分でフタをする」──それがスキンケアの基本だと考えていたからです。

保湿は大きく「ヒューメクタント(吸湿性のある水溶性成分)とエモリエント(水分の蒸散を防ぐ油溶性成分)」の連携です。

つまり「化粧水でヒューメクタント成分を届け、その後、エモリエント成分を含むクリームやオイルなどで膜を張り、保湿効果を高める」という設計です。

肌が荒れやすかった私は、最初にヒューメクタントを届ける化粧水の役割を、何より重視していました。

化粧品会社に勤めていた頃から、化粧品成分の品質に疑問を抱くことがたびたびあり、「化粧水の品質と安全性をどこまでも高めたい」と強く思うようになっていたのです。

それを叶え、「誤魔化しのない、心地よい化粧水を届けよう」──それがHEMUEの原点です。

けれども、その想いは、乾燥に悩む人たちの肌には十分に届きにくい場合がありました。

「何度も重ねても油分でフタをしても、やっぱり肌が乾燥する」──頑張っても思うように肌がうるおわない。その悩みに誠実でありたいのに、「これだ」という答えを出せない自分が、次第に苦しくなっていきました。

「期待に応えられず、申し訳ありません」とお伝えするたび、化粧水への自信も揺らいでいったのです。

「何かがおかしい...」と思い始めていたある日のことでした。

違和感の正体

化粧品原料メーカーの研究資料のページをめくる指が止まりました。

ある一文が、まるで虫眼鏡で拡大されたように浮かび上がったのです。

「許容量を超えた水分で、角層の構造が乱れやすくなる」

化粧水が届くのは角層まで。

つまりその一文は、「化粧水の“水分過負荷”が、乾燥や敏感さにつながる」という示唆でした。

これこそが、“かえって乾燥しやすい”一因。長く抱えていた違和感の正体であり、解決への手がかりだと感じたのです。

水分過負荷──この視点が、私には欠けていました。

ヒューメクタントを届けることは必要だけれど、化粧水で届けようとすると“水分過負荷”という落とし穴があるのかもしれない。

そう考えると、これまでの違和感に説明がつきはじめました。

水分過負荷→乾燥肌の流れ

水分過負荷→ ふやけ(maceration)/経表皮水分喪失(TEWL)上昇→ ラメラ配列の乱れ/コルネオデスモソームの弱化→ 不全角化・NMF/セラミドの低下→ 乾燥・刺激に傾きやすい状態

*ふやけ(maceration):角層が水分を含んでふくらみ、手触りが一時的になめらかになる

*経表皮水分喪失(TEWL):汗の蒸発とは異なり、自覚がないまま角層から失われる水分のこと。乾燥状態やバリア機能の低下を示す指標。

*ラメラ配列:水分と油分(細胞間脂質)が交互に層をなしている構造のこと。ラメラ構造はバリア機能の要。

*コルネオデスモソーム:角質細胞同士を接着する細胞接着構造

*不全角化:角質細胞が未熟な状態になること。NMF/セラミドの量も低下する。



なぜ、化粧水が逆効果になるのか?


「水分の補給」「保湿成分を届けられる」「ブースター効果がある」──化粧水の推奨理由としてよく挙げられる根拠です。

けれど、水分量の数字が示すのは「本当は角層の味方になれていない場面」があるということ。

角層のバリア機能は、肌の奥に水分が浸透しないよう“堤防”のように働いて水分を弾いています。ただし、弾きながらも、角層部分の保水のために水分を吸ってふくらむ性質(水和)もあります。

それでも無制限に水分をため込めるわけではないので、かまわず化粧水を押し込むほど“水分過負荷”になり、角層はふやけていきます。この「ふやける動き」が「浸透している」感覚につながっている場合もあります。

そして、この“ふやけ”でバリアがゆるむと、成分が浸透しやすくなる“ブースター効果”が生まれることがあるかもしれません。

しかし、その裏側ではうるおいバランスが崩れている──ここが問題の核心です。

思い出してください。角層が安定して抱えられる水分は0.1〜0.3 mLほど。

これを超えた水分を抱えることはできないので蒸発していきます。しかもうるおいバランスが崩れた結果、必要な水分さえも抱えにくくなり、乾燥につながることがあります。

「化粧水のあとに乳液やクリームでフタ」をしても、できるのは蒸発を遅らせる対処まで。

角層から見れば、化粧水の500円玉大(1〜3 mL)でさえ過剰な水分量。その過剰分を閉じ込めようとすることも、“水分過負荷”につながることがあります。崩れたうるおいバランス自体は、フタをしても立て直しにくいのです。

要するに──化粧水は“水分補給”というより、結果的に“水分でバリアをゆるめる”ために使っているのかもしれません。

それは、角層の味方としての働きではなく、乾燥や刺激に負ける循環の入り口になることがあります。

もし、「化粧水は意味ないのかな」と感じていたら、今夜からでも、化粧水の量を少しずつ減らしてみてください。(肌を徐々に慣らしていくイメージで)

乾燥ループを解くために

肌は、日々生まれ変わって受けたダメージを回復しようとしています。

その流れで角層も修復されますが、水分過負荷が積み重なると、このリズムが乱れ、「不全角化」と呼ばれる現象が起こりやすくなります。

それは、小さく未熟な角質細胞の増加、NMF・セラミドの低下を招き、結果として角層のすこやかさが損なわれてしまうため、乾燥や刺激にも負けやすくなっていきます。




とくに薄く繊細な顔の角層は、この不全角化が起こりやすい傾向があります(※部位差・個人差あり)。

化粧水でヒューメクタントを届け続けても、バリアをゆるめ続ける限り──その状態はループしやすくなります。

乾燥ループの構図

1)過剰な水分(短時間の多量・長時間の湿潤)

2)角層のふやけ/バリア一時低下

3)不全角化/NMF・セラミド低下

4)保水力低下・敏感化

5)乾燥の自覚 → さらに化粧水 ……

一時的なうるおい感はあっても持続しない背景には、「角層のうるおいバランスを取り戻せていない状況」があります。

「化粧水はまったく意味がない」とまでは言えませんが、水分量という物差しで見ると、角層に負荷がかかりやすいのは確かです。

だからこそ、乾燥ループを解くには、角層が“働ける状態”に戻すこと──この視点が必要です。

私は悩んだ末、肌に本当に必要なスキンケアを追いかけるために、化粧水から離れる(=脱化粧水)という決断をしました。そして目指したのは、原則を守れる「角層を味方にできるスキンケア」です。


脱化粧水──角層を味方にする


化粧水。

それは、私にとって「角層を味方にするスキンケア」を実現するための再スタートでした。

長く試行錯誤が続きましたが、「美白を超え、シワも誇りに」のコンセプトのもと、「どう支えるか、どう守るかを軸に過不足を整える」=〈引き算×バランス〉を積み上げ、「ミニマルスキンケアメソッド」という形にたどり着きました。

正直なところ、理想に向けてまだ磨ける余地はあります。

それでも積み重ねてきた手応えは、60代を迎えた私自身の肌にも、HEMUEを使ってくださる方々の声にも表れています。

「頑張らなくても、うるおうようになった」「ボロボロだった肌が褒められるようになった」「肌がふっくらして明るくなった」

──そんな声が届くたび、乾燥や刺激に負けない肌を保てるだけでなく、「自然な変化も肌の明るさに溶け込む──過ごしてきた時間を“そのまま味方に”できる毎日」へつながっていると感じます。

角層を味方にしていけば、昨日よりも「乾燥しにくい」と感じられる日が少しずつ増えていきます。

やがて、キメが整い、うるおいに満ち、ふと触れてほっとする「美しい肌質」となって、表情をより豊かに、魅力的に彩ります。

「化粧水はいらない」と気づいたその先を──肌にも、心にも。

次のページでは、メソッドの中身と化粧水中心からの移行ステップをお話しします。

▼方法を見る
|+|ミニマルスキンケアメソッド|脱化粧水で角層を味方に


よくある質問(FAQ)


Q. 本当に化粧水をやめても大丈夫ですか?

A. はい、大丈夫です。

角層が抱えられる水分量の目安は、0.1〜0.3 mLほど(個人差あり)です。それ以上の水分を一度に補給してもあまり意味はありません。

ただし、化粧水をやめたあと、“角層を味方”にできるかどうかが肝心です。HEMUEでは、そのためのスキンケアを追求してきました。

化粧水への依存度が高くなっている場合(使用量が多い)は、肌を慣らすために、様子を見ながら徐々に使用量を減らしていく“段階移行”をお勧めします。

Q. 効果を実感するまでにどれくらいかかりますか?

A.角層部分の入れ替え周期の「数週間〜1か月ぐらい」で「乾燥しにくくなった」「肌が安定してきた」という兆しを感じることが多いです。

大切なのは、ただ乾燥をしのぐのではなく、“角層が働ける状態=うるおいバランスを守り、乱れたら静かに回復させること。それを継続することで、乾燥や刺激に負けない「美しい肌質」へと少しずつ近づいていきます。

▼くわしく見る
|+|ミニマルスキンケアメソッド|脱化粧水で角層を味方に


|参考文献|
本記事の内容は、皮膚科学・化粧品学に基づく一般知識をもとに作成しました。参考文献:Lodén M. (2003), Rawlings AV. (2004), 日本皮膚科学会 (2020) ほか。


※このページにはスキンケアについてのヘミューの考え方を記載しています。弊社に無断でこのページの内容の全てまたは一部の転載を禁止します。